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旧伊藤伝右衛門邸

 福岡県飯塚市にある旧伊藤伝右衛門邸が、GW初日の4月28日に一般公開が始まりました。伊藤伝右衛門は「筑豊の炭鉱王」と呼ばれており、炭鉱だけでなく金融や工業などでも成功を収めた人物。また歌人の柳原白蓮を妻にし、後に新聞に絶縁状を掲載されるエピソードなどでも有名です。

 実は私、この旧伊藤伝右衛門邸が一般公開されるのをとても楽しみに待っていました。去年、福岡県朝倉郡東峰村にある伊藤伝右衛門が経営した宝珠山炭坑跡と隣接するいぶき館を見てきたのですが、そこで伊藤伝右衛門の本邸のことを知りました。いぶき館とは宝珠山炭坑のクラブハウスを再生した史料館(文化交流館)。結構大きな建物だったので驚いていたのですが、なんと伊藤伝右衛門の本邸にあった建物の一部を移築したものだといいます。じゃあ本邸はもっと大きいの?なんて思って資料をみると敷地約2,300坪!広大な日本庭園に建物延床面積約300坪の近代和風住宅!明治30年代末に建てられた“炭鉱王”の豪邸が飯塚市に現存しているとあります。これは是非見てみたい!そう思っていました。

 さて、公開初日の4月28日に早速行ってみました。予想はしていましたが、見学者は物凄い数。ボランティアの案内係も大勢いましたが、この人出は予想外だったのでは?と思うほどでした。

 現地ではまず、この門構えに圧倒されます。まるでお寺かお城の門のよう。とても個人宅とは思えませんね(笑)。

旧伊藤伝右衛門邸

 門からすぐの表玄関より室内へ入るのですが、建物内部は一切写真撮影が禁止とのこと。多くの人が写真撮影ができないことに不満を漏らしていて、案内係りの人もその理由が答えられずに困っていました。私も内部を撮影するつもりでしたのでこれにはガッカリ。

旧伊藤伝右衛門邸

 内部は、延床面積300坪だけあってさすがに広い!しかしそれ以上に見学者が多く、床が抜けないか心配なくらいぎゅうぎゅう。実際に2階にある白蓮の部屋の見学は床の強度の問題で1回3分20人に限定されていましたが、順番待ちが30分以上になる人気ぶり。贅沢を尽くして造られた各部屋は見所も多いのですが、圧巻なのはストレート部分が長さ約50mにもなる廊下!うち30数mは畳敷きになっています。あちらこちらで「掃除が大変そう」とう声が漏れていました(笑)。

旧伊藤伝右衛門邸

 細かな部分に目を向けても、随所に装飾や意匠が施されているのには驚きます。今回は大勢の人に押されるようにしての見学になったので、見逃している部分も多いはず。しばらくしたら見学者数も落ち着くでしょうから、もう一度ゆっくり見学したいものです。

関連記事:
マップ No.22 宝珠山炭坑

関連サイト:
飯塚市役所ホームページ」> 旧伊藤伝右衛門邸
飯塚商工会議所」> 観光情報 > 旧伊藤邸の保存を願う会
東峰村」> いぶき館
遺産探訪/建築・土木関連 | permalink | comments(2) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

内部の写真撮影禁止??まだ個人所有なのでせうか?
自治体が管理しているのであれば、あり得ないコトですね。 笑
凄ゐお屋敷! ここが「あかがね御殿」?
でも、柳原白蓮関連の資料では、この伊藤さんって、結構えげつないオヤヅだったようで白蓮との結婚も政略結婚だったとか。新聞に掲載された絶縁状の文面からもそのようなコトが伝わってきます。
大金持ちだけど....どうなのこれ?的な、生活より、年下の帝大生を選んだ白蓮の劇的な生涯もこの大邸宅の彩りですね。
ずんさま | 2007/04/29 12:22 PM
>ずんさまさん
平成17年に飯塚市が日鉄鉱業から買い取っています。多くの人がカメラを持って来ていて、入口で撮影禁止を告げられ驚いていました。

伊藤伝右衛門と白蓮に関する話、結構面白いですよね。今回初めて知ったのですが、新聞に掲載された絶縁状は宮崎龍介の友人が随分ソフトに書き直したものだったそうです。オリジナルの絶縁状は結構スゴイ内容。白蓮もキレてたようです(笑)。本邸敷地内にある事務所棟が「白蓮館」となっており白蓮に関する資料が展示してあります。その中で絶縁状のオリジナルのコピーが無料で配布されてありました。まさか後世に自分の家で絶縁状のコピーが観光客に配布されるなんて、伝右衛門さんも思ってもみなかったでしょうね(笑)。
ゴン太@管理人 | 2007/04/30 12:14 AM
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旧伊藤伝右衛門邸が想定外の大ヒット観光名所に。背景にある柳原白蓮の激しい生き様。 | 専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】 | 2008/03/10 10:36 AM
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