マップ 報告書 掲示板 リンク 雑記帳
このサイトについて お問い合わせ TOPページへ 九州ヘリテージ

九州の近代化遺産・産業遺産を見て・調べて・紹介!するブログ
<< 【告知】講演会「筑豊の近代遺産」 | ブログTOPへ | 旧長崎刑務所解体 >>

直方市石炭記念館

 7月21日に福岡県の直方市石炭記念館で、訓練坑道の一般公開が行れました。明治・大正・昭和と約1万人におよぶ炭鉱災害救護隊員を養成してきた模擬坑道が36年ぶりに一般公開(しかも一日限定)されるというもので、これは見ておかなければ!ということで行ってきました。

 直方市石炭記念館本館の建物は、元々明治43年に麻生太吉、貝島太助、安川敬一郎などの筑豊の炭鉱経営者でつくる筑豊石炭鉱業組合の直方会議所として建てられたもの。内部の撮影はできませんが、とっても立派な造りの建物です。

直方市石炭記念館本館
直方市石炭記念館本館

 明治45年に本館の裏山に約11メートルの救護訓練坑道が作られて、炭鉱災害の人名救助や復旧作業の練習会が行われるようになります。大正11年になると筑豊石炭鉱業組合救護練習所と呼称され、より実践的な訓練を実施する本格的な練習所となり、訓練坑道も大正14年には傾斜40度と20度の2本と斜坑道(木造)と水平坑道(煉瓦・コンクリート造)が追加され拡充が図られます。昭和27年に九州炭鉱救護隊連盟直方救護訓練所に改称。老朽化に伴い昭和41年に傾斜40度の木造斜坑道は取り壊され、傾斜20度の斜坑道をコンクリートに変更するなどして現在の型である117メートルの訓練坑道になりました。昭和44年に志免炭鉱跡地に九州鉱山保安センターとして移転することになり、この訓練所は直方市に寄付され昭和46年より石炭記念館となったものです。

 当日は午後になって石炭記念館に到着。当然、一日限定の訓練坑道一般公開を目当てに多くの見学者が来ていました。ここを訪れるのは初めてなので記念館の他の展示物も気になりますが、まずは訓練坑道を見学することに。受付で整理券をもらい、いざ訓練坑道へ。

訓練坑道全景

 訓練“坑道”といっても、そのほとんどは地上に造られています。上写真で手前に伸びているのが傾斜20度の斜坑道。上方が水平坑道にあたる部分で、その一部が僅かに(10数メートル程度)地下になっています。

訓練坑道(一般公開の入口)

 一般公開の入口は、斜坑の上部の水平坑道と交わる所から。右奥へ下っているのが斜坑で、その奥の白い建物が本館です。さて、いよいよ内部へ…

訓練坑道(水平坑道部分)
水平坑道内部

訓練坑道(斜坑道部分)
斜坑道内部

 訓練坑道の外側は全てコンクリートで覆われていますが、明治・大正時代に作られた水平坑道部分の内部は煉瓦巻きになっています(写真に写っている部分は昭和9年に作られたと説明がありました)。斜坑道は昭和41年にコンクリートで作り直されたもので、わずか2〜3年ほどしか使用されていないだけあって内壁もきれいなものです。訓練坑道には数箇所に外部とつながる“焚き口”があり、そこで石炭を焚いて内部の温度を上げ、煙を充満させるなどして実際の炭鉱災害時の環境を再現した訓練が行われたそうです。水平坑道奥にある下側半分を塞ぐ壁は訓練時の障害物として作られたもので、またその手前右側には横方向に伸びる坑道も作られています。煉瓦巻きの内壁は所々が煤で真っ黒になっており長年の訓練の痕跡がうかがえますが、その煉瓦壁も老朽化が進み数箇所に大きな亀裂が発生しており、修復などの早急な対応が必要のようでした。

 訓練坑道見学の後は他の展示物も堪能しました。本館では炭鉱施設などの大型模型や筑豊の炭鉱の歴史に関する展示。隣に建つ別館には、筑豊の炭鉱に関する資料や写真パネルなど興味深い展示が多くあります。また屋外には貝島炭鉱で活躍したドイツ製のコペル32号蒸気機関車などをはじめ、坑内で使われた作業機械などの展示もあり見ごたえ十分の内容でした。

 当日は大勢の見学者に加え、非常に蒸し暑く汗びっしょり。涼しくなったらまた行ってみたいですね。
遺産探訪/炭鉱関連 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

訓練坑道なんてものがあったんですね、、
一瞬掘削の練習をするところかと思いました
この季節、見学も訓練さながらの暑さだったんでしょうね(笑)
ごんた | 2007/07/25 12:58 PM
>ごんたさん
>この季節、見学も訓練さながらの暑さだったんでしょうね

訓練坑道の中は意外にもヒンヤリしていました。
が!本館、別館の展示室には冷房が無く、たっぷりといい汗をかくことが出来ました(笑)。
まあ大体の“史料館”“展示館”“記念館”と名が付く施設は、事務室以外に冷暖房はないようですね(汗)。
ゴン太@管理人 | 2007/07/27 1:57 AM
コメントする









この記事のトラックバックURL
この記事に対するトラックバック
<< November 2017 >>
SunMonTueWedThuFriSat
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
最近の記事
九州ヘリテージいち押し!
肥薩線の近代化遺産
肥薩線の近代化遺産
熊本産業遺産研究会
雑記帳でも紹介しています。
最近のコメント
最近のトラックバック
プロフィール
購 読
RECOMMEND
廃墟という名の産業遺産
廃墟という名の産業遺産 (JUGEMレビュー »)
小林 伸一郎,栗原 亨,酒井 竜次,鹿取 茂雄.他
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
九州遺産―近現代遺産編101
九州遺産―近現代遺産編101 (JUGEMレビュー »)
砂田 光紀,国土交通省九州運輸局,九州産業・生活遺産調査委員会