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姫井橋

 今回紹介する姫井橋は、熊本県菊池市旭志の県道329号にある“新しい姫井橋”の隣に歩行者用としてひっそりと地味に残されています。全長約18メートルで大正14年竣工。見た目にも華やかさはなく苔むしたただの古いコンクリート橋(アーチは特徴的ですが)にしか見えませんが、実は“国内初”と“Aランク”というスゴイ肩書きを持つ特別な橋なのです。

姫井橋

 鉄筋コンクリート造のアーチ橋は特に珍しいものではありませんが、姫井橋はアーチの下側に路面が位置する下路式コンクリート(RC)アーチというあまり見慣れない形式。その形式においては国内で初めて建設された橋なのです。次に古い下路式RCアーチ橋は昭和8年建設の神奈川県にある旭橋になり、姫井橋は大正時代唯一の下路式RCアーチ橋としても重要な意味を持つことになります。

姫井橋

 姫井橋の持つ“Aランク”とは、土木学会が選定する土木遺産のランク。A〜Cのランク分けの中で「Aランクは最も重要な土木遺産で、国指定重要文化財に相当する」と位置づけされています。姫井橋は国内初であることと形式・保存状態などからAランクに評価されたのでしょう。

姫井橋の親柱

 上の写真は橋のたもとに立つ石柱。親柱のようでもありますが、この1本だけしかありません。石柱付け根裏側に見える小さな四角い柱は橋の両側に2本ずつあるので、これが親柱なのかも。

姫井橋の親柱

石柱には姫井橋の文字はありませんが、下部に「大正十四年三月竣成」とあるので姫井橋のものだと考えていいでしょう。

姫井橋のコンクリート剥離部分

83年という年月を感じないほど全体的にはしっかりとした印象を受けますが、写真のように一部コンクリートが剥離し鉄筋が露出している箇所もあり老朽化は確実に進んでいるようです。

 私は何冊かの書籍でこの姫井橋を知り現地へ見に行ったのですが、何も知らなければ簡単に見過ごしてしまうような橋です。そのようなコンクリート橋でも重要な価値を持つものもあるわけで、一見何でもないような橋でも今後は注意して目を向けないといけませんね。


大きな地図で見る

【関連サイト】
土木遺産in九州」> 土木遺産目録 > 熊本県 > (廃)姫井橋
土木学会選奨土木遺産
土木学会選奨土木遺産(Wikipedia)

【参考文献】
「熊本県の近代化遺産 近代化遺産総合調査報告書」熊本県教育委員会
「日本の近代土木遺産」土木学会
遺産探訪/鉄道・橋梁関連 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

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