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気になる記事「志免鉱業所竪坑櫓」

 国の登録有形文化財である福岡県志免町の志免鉱業所竪坑櫓は、現在「見守り保存」というあまり聞きなれない形がとられています。2月10日の西日本新聞に、最近の動きが記事になっていました。
世界的遺産か「負」の象徴か 評価分かれる「志免炭鉱跡立て坑櫓」 保存・活用方向見えず

国の登録有形文化財、旧国鉄志免炭鉱跡の立て坑櫓(やぐら)(志免町志免)の社会的価値について、長崎大の後藤恵之輔教授(土木工学)が文化遺産を金額で表す仮想評価法を用いて「年間3300万‐4400万円」とする調査結果を公表した。櫓は完成して既に60年を超す。後藤教授は「保存に向けた論議のきっかけにしてほしい」と期待するが、町議会などには「町の税金を使ってまで守るべきかどうかは疑問だ」との声も根強く、保存・活用の方向性は見えてこない。

 (中略)

 ただ、人口が伸びているとはいえ志免町の財政は厳しく、新年度予算編成に向けても、さまざまな分野で削減を余儀なくされている。南里辰己町長は「現在、保存費用を捻出(ねんしゅつ)する余裕はなく、町民の考えも聞きながら当分は『見守り保存』を続けたい」としている。

西日本新聞Webサイト2008年02月10日の記事から引用
 保存となると必要なのはお金。今時、予算に余裕がある自治体なんかないでしょう。私が単純に疑問なのは、なぜ地元の自治体主体で保存費用を負担をしなければならないのか、ということ。県は?国は?という素朴な疑問です。色々な制約や仕組みがあるのでしょうが、地元にだけ費用負担を押し付けていたら残るモノも残らないのではないかと。

 また地元では櫓の解体を求める声も少なくはないそうです。町の予算を使って保存をする訳ですから、そのような声があっても当然でしょう。しかし、ちょっと待ってほしいのは「炭鉱の町はマイナスイメージ」などの“負の遺産”的な考え方。確かにその時代を過ごしてきた人々の中には負のイメージを持つ人もいるでしょう。しかしその時代を知らず、ましてや地域の外にいる人にとっては「炭鉱の町だった=負・マイナスイメージ」ではないと思います。少なくとも私はそう。例え地元でも、世代が変わって時代が変わればイメージは変化していくものではないでしょうか。町の歴史だけでなく、産業・国策・戦争・労働・鉄道など幅広い分野の歴史を見ることができる志免竪坑櫓。後世にどう伝え残すかという観点で考えるのが大切ではないかと思います。

【関連記事】
雑記帳・志免鉱業所竪坑櫓
マップ・志免鉱業所竪坑櫓

【関連サイト】
西日本新聞」> 2008/02/10記事2008/02/02記事
ALL-A」> 志免炭鉱 竪坑櫓
『福岡の近代化遺産』のつくりかた。」> 志免鉱業所竪坑櫓
建築マップ」> 志免鉱業所竪坑櫓
ゴン太の独り言 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

この記事に全く同感です!
竪坑櫓を見て育った私ですがその歴史的背景など全く知らず単純に「いいものだな。」と子供の頃からずっと思っていました。
その竪坑櫓が保存費用の捻出ができず取り壊すことになるかもしれないなど夢にも思いませんでした。
私のように存続を望む方が多くいることがアンケート調査の「存続に税金登用しても良い:76.2%」の数値が物語っているのですから、何としてでも貴重な財産を残して欲しいと願います。
その存続費用が県や国から捻出されるように、文化遺産の保存へ向けて私も働きかけを始めたいと思います!

また炭鉱町に対する「負のイメージ」は私にとって以外なものでした。
>世代が変わって時代が変わればイメージは変化していくものでは・・・(上記)とあるように、その時代を全く知らない私は竪坑櫓を<趣のある歴史的建造物>として見、炭鉱町にも全くマイナスイメージはありません。

けれど今はその時代に何があり、行われ、人がどう暮らしていたのか、歴史を学びたいと感じます。
これまで志免炭坑の過去の歴史に目を向けたことはなかったけれど、竪坑櫓の存亡の危機を迎えた今、しっかりと見つめたいと純粋に願います。
きっと多くの子供たちも同じではないだろうかと、感じています。
打越 惠 | 2008/12/15 10:55 PM
>打越 惠さん

レスが遅れて申し訳ございません。
打越さんのような地元の方がおられると思うと、保存への希望が持てます。このような遺産の保存は何より地元の人々の理解が重要。しかしアンケートの数字も心強いものですね。新たな坑口が発見されるなど注目も集まっていますので、保存と活用への道が開かれることを期待しています。
ゴン太@管理人 | 2009/01/04 12:40 AM
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