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内大臣森林鉄道 支線探索

 九州ヘリテージ開設以前から(断続的に?)続いている、森林鉄道の現地探索。過去のレポートでも紹介していますが、九州には多くの森林鉄道があり、その最深部には多くのレールがそのままに残されている場合があります。道もなく誰も行くことのない山奥の森の中に、今もなお軌道がそのまま存在している事実に衝撃を受け、すっかりその魅力に取り付かれた私。機会があるごとに森林鉄道の痕跡を辿り、探し続けています。

森林鉄道とは?
山奥で伐採した木材を運び出すための鉄道。明治末期から全国の木材産地で活躍するが、林道の整備とトラックの普及により昭和40年代に姿を消すことになる。

内大臣森林鉄道 鴨猪谷支線の軌道
内大臣森林鉄道 鴨猪谷支線に残る軌道
過去のレポートより)
 今回のネタは、当サイトでもおなじみ内大臣森林鉄道の新たな支線の調査です。と言っても今は6月。遺構探索や廃線トレースと同じく、森林鉄道もこの時期は藪が酷くて本来はオフシーズンです。今回は次シーズンのための事前調査という意味合いで、未踏査だった内大臣森林鉄道の西内谷支線と北内谷支線の入口を探してみました。

 この2つの支線は関連書籍などでもほとんど紹介されていませんが、いくつかの情報から確実に存在していることは分かっていました。しかし、何度か現地へ行ったものの内大臣森林鉄道幹線からの分岐点がはっきりせず、支線の入口が分からずにいました。そこで探索の方法を思いっきり変えてみることに。

 森林鉄道の軌道は、ほとんどが谷底の川(渓流)に沿った位置に作られています。地形的にも川に沿ったほうが工事も無理がないのでしょう。だったらその川を遡れば、軌道も見つけ易いはず。森の中をただ彷徨うだけより、軌道を発見する確率は高いはずです。オフシーズンの今、あえて森林鉄道探査をする理由が、その“川を遡る”探索方法だったのです。冬では凍えてしまいますが、この時期なら川に入っても気持ちいいくらい。今の時期でなければできません。

 川、特に山奥の渓流を登っていくことは、危険が伴うためそれなりの技術と経験が必要です。そう思い“沢登り教室”に参加したのは3年前。それから今日まで、何本もの渓流を何度となく登ってきました。実は私の趣味がヤマメ釣りだと言うこともありますが(笑)、数々の渓流を登ってきた経験をもうひとつの目的に役立てる時が来た訳です。

 前置きが長くなってしまいましたが、まずは西内谷支線を探索。幹線からのおおよその分岐点は見当がついていましたが、軌道がどこを通っていたかは皆目分からず。しかしそこには渓流が流れていますので、早速川へと入り登り始めます。いきなり大きな砂防ダムが行く手を阻みますが、脇の崖には渓流釣師達が登ったであろう痕跡が。それに従い崖を登り、コンクリートの砂防ダムを乗り越えてみると…

内大臣森林鉄道 西内谷支線

 なんと!そこには見事に軌道が通っていた地形が現れました。写真ではちょっと分かり辛いかと思いますが、右側の一段上がった部分が奥の方まで一定の高さで続いているのがわかりませんか?路盤は流れに洗われたのか、レールや枕木の類は一切残っていませんでした。

内大臣森林鉄道 西内谷支線 石垣

 少し先に進むと、このような石垣も出現。今年は雨が降らなかったせいか、沢の水量は少なく遡行は楽チン。

内大臣森林鉄道 西内谷支線 橋台と橋脚

 さらにはコンクリート製の橋台と橋脚も発見。軌道は大きくカーブして川を渡り対岸へ。西内谷支線の今回の探索はここで終了。確かに支線が存在していたことがわかり一安心です。続きは今年の冬にでも本格的に辿ってみたいですね。

 もう一方の北内谷支線は、内大臣森林鉄道の中でも最奥の山奥にある支線です。現在の地形図で確認すると、軌道跡と思われる線形はほとんど林道(車道)になっていますが、何らかの痕跡を期待して現地へ。

内大臣森林鉄道 北内谷支線 レール

 川沿いの軌道跡と思われる部分は林道になっていましたが、川の中で森林鉄道のレールを発見しました。もしかしたら林道からはずれた部分に軌道跡が残っているのかもしれません。

 今回の“支線の入口を探す”という探索は、まずまずの成果が得られと言っていいでしょう。今年のシーズン到来が楽しみです。

【関連記事】
報告書・内大臣森林鉄道 幹線
報告書・内大臣森林鉄道 鴨猪谷支線
雑記帳・内大臣森林鉄道 鴨猪谷支線未踏査区間

【関連サイト】
内大臣 緑川スペシャル
ウィキペディア・森林鉄道
遺産探訪/鉄道・橋梁関連 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

お久しぶりです。“支線の入口を探す”の調査の時は、ハンターカブで近くまで行くと?
テコン1号 | 2009/06/26 5:00 PM
以前はバイクで行っていましたが、最近は車で行っています。でも、今度はハンターカブで行ってみようかなあ。
ゴン太@管理人 | 2009/06/29 2:38 AM
ご無沙汰しています。

西内谷支線の入り口は、私も頭を悩ませていましたが、内大臣作業所跡より少し下流のところだったんですね。
実は、私もここが怪しいとにらんで、砂防ダムも乗り越えたのですが、ゴン太さまが発見した軌道跡を見つけきらず、
「ここは違うな・・・」
と、別のルートを探すという無駄な努力(笑)を続けていました。

(それで出た推論は、作業所跡より上流側の、少し広場になったあたりで急カーブを切る形で分岐するか、スイッチバックかで分岐して、谷に入るというものでした。今となってはむなしい推理ですが)

今後の成果を期待しています!!
吉松真幸 | 2009/06/29 4:51 AM
吉松真幸様

お久しぶりです。
西内谷支線については私も全くおんなじ推理でしたが、作業所跡のやや下流に流れ込む川に沿って通っていたのが正解でした。林道(車道)になっている部分が、ほぼ幹線の軌道と思って間違いないようで、支線の分岐も全く林道と同じ高さに残っていました。しかし、こんな山奥まで軌道があったとは驚きです。
ゴン太@管理人 | 2009/07/02 10:08 PM
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