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鴨猪谷の廃集落

 最近なかなか遺構探訪にも出掛けられず、正直ネタ不足に陥っています。紹介するタイミングを外してしまった過去ネタがあるにはあるのですが、忙しさもあって更新も滞っております。そんな中、どうにか渓流釣り(スミマセン)に行ってきたのですが、そこで意外というか面白いものを見つけましたのでご報告を。

 ヤマメやイワナを対象とした渓流釣りは“足で釣る”と言われるように、渓流を上流に向かって歩きながら釣り登って行きます。ヤマメやイワナは警戒心が非常に強く、同じポイントに何匹もいる訳ではないので、ポイントを常に移動しなければなりません。そのため、周囲に道もない山深い渓谷の中を何時間も上流に向かって歩くことはよくあります。

 そんな渓流釣りをもう何年も続けているのですが、時に「なぜこんな所に!?」という遺構を見つけることがあります。およそ渓流釣り師くらいしか立ち入らないような人里からも道路からも遠く離れた谷底に、石垣が築いてあったり橋や建物の基礎と思われる石組みがあったり。

 そんな中、今回の釣行で遭遇した遺構は私の渓流釣りの経験の中では最大規模のもの。更にはその場所が重要なポイントで、なんと内大臣森林鉄道鴨猪谷支線の足元を流れる鴨猪川を遡行していての発見です。

 鴨猪川は数年前に“沢登り教室”で訪れて、多くの森林鉄道遺構を発見。そしていかにもヤマメが棲んでいそうな渓流でしたので、いつか釣りに来ようと思っていた訳です。

鴨猪谷の軌道?道路?の遺構

 “沢登り教室”で訪れたときより数キロ下流から入渓。川に沿って林道が走っているのですが、その対岸にこのような石垣を発見。石垣上はフラットで車道のようにも見えますが、実際は歩道ほどの幅しかありません。枕木やレールもなく、軌道でもないようです。おそらく林道が整備される前に人道として作られた道なのでしょう。

鴨猪谷の廃集落

 そして驚いたのがこの集落遺構。なんと建物も現存しています。残されている基礎部分にコンクリートが使われているのも見られるので、それほど昔のものでもないようです。

鴨猪谷の廃集落

 今までは大きくても家一軒分の基礎を見つけるくらい。しかし、ここではかなり広範囲に造成されているようで、建物の基礎も数多く見つけました。集落と呼ぶには十分な数の家が建っていたと想像できます。

鴨猪谷の廃集落に残る廃墟

 中にはまだ形を留めている建物も。ぐるりと周囲を回ってみて、崩れた入口から内部を覗いてみると…。

鴨猪谷の廃集落に残る廃墟

 間取りは1DK、トイレ、五右衛門風呂、キッチンは土間で竈付きといったところでしょうか。台所には鍋や食器など生活道具も数多く残っていました。

鴨猪谷に残る廃墟

 部屋の中にはミドリの十字が。ヘルメットなども散乱していたので、林業関係で近年まで使われていたのかもしれません。

 この廃集落から鴨猪川を挟んだ対岸に、内大臣森林鉄道鴨猪谷支線が通っています。現在は林道となり車ででも通行は可能で、私も過去の探索で何度も通っていました。ただ、橋などの痕跡も無く、対岸からは木々で隔てられていたために長い間気が付かなかったのでしょう。

 鴨猪谷支線には幹線同様に営林事業所が設置されており、その鴨猪谷事業所の痕跡は更地として残っています。そこからこの廃集落までは川を挟んでいますがさほど距離はないので、おそらく事業所で働く人々とその家族が生活していた集落なのではないかと考えています。森林鉄道関連遺構の探索エリアは“線”になりがちですが、少し幅を持たせた“面”で探してみるのも大切だと感じた一件でした。

【関連記事】
雑記帳・内大臣森林鉄道鴨猪谷支線未踏査区間
報告書・内大臣森林鉄道・鴨猪谷支線

【関連サイト】
内大臣 緑川スペシャル
遺産探訪/鉄道・橋梁関連 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

お久しぶりです。これはまた貴重な集落跡ですね。
初夏か初冬に行ってみたいです。

しかし、私の経験上、釣り+廃墟の組み合わせが非常に多い気がします(笑)。
ニコソFG | 2009/09/12 8:17 AM
>ニコソFGさん

お久しぶりです。
気付かないだけで、このような集落跡は結構あるのかも知れませんね。

>釣り+廃墟の組み合わせが

ポイントが被ることもその理由なのかも。一石二鳥ですね(笑)。
ゴン太@管理人 | 2009/09/14 9:50 AM
こんにちは。楽しく読ませてもらいました。このブログを今後も参考にさせてもらいます。ありがとうございました。
大樹 | 2014/02/11 7:07 AM
>大樹さん

コメントありがとうございます。
なかなか更新出来ていませんが、今後も宜しくお願いします。
ゴン太@管理人 | 2014/02/12 10:48 PM
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