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折尾高架橋

 久しぶりのブログ更新です。もう更新のやり方を忘れかけていましたよ(笑)。いろいろと忙しかったのですが、ネタも随分と溜まってきておりますので簡単にでもこれからUPしていきたいと思います。

 さて、以前から行きたくて行っていなかった場所のひとつに、折尾駅(福岡県北九州市)がありました。大正5年竣工の木造駅舎で、当時の面影を随所に残しているだけでなく“日本初の立体交差駅”といわれるだけあり、駅構内の通路、地下道、橋台などには多くの煉瓦構造物を見ることができます。さらに駅周辺には煉瓦の3連アーチの高架橋が2つあり、そのうちの一つにはとても珍しい“ねじりまんぽ”まであります。

 見所満載の折尾駅周辺ですが、「JR鹿児島本線等折尾駅付近高架化事業」や「折尾地区総合整備事業」という再開発が始まり、大きくその景観が変わろうとしています。そんな中「9月末に煉瓦アーチの解体工事が始まる」という情報をキャッチ。加えて当サイトの掲示板にも9月末の解体を知らせる書き込みを頂きました。そこで慌てて見に行くことに。


 上記Googleマップは現在のJR折尾駅周辺。左上側の青マーカーは折尾駅舎、中央赤マーカーが9月末に解体が恥始まる煉瓦3連アーチ。右下側の青マーカーがねじりまんぽがある煉瓦3連アーチ。なぜ二つの煉瓦3連アーチが少し離れてあるかというと…。

昭和49年の折尾駅周辺

 上記空撮は同じ折尾駅周辺の昭和49年の様子。国鉄折尾駅の上側を左右方向に横切るのが鹿児島本線で、上下方向に貫くのが筑豊本線。そして写真右下から中央へ伸びてきているが西鉄北九州線になります。写真中央に西鉄北九州線の折尾駅があるのですが、その直前に鹿児島本線と筑豊本線を結ぶ短絡線が横切っているのがわかります。それを越える為に、西鉄北九州線折尾駅とその周辺部分は煉瓦アーチを主体とする高架橋の上に作られました。

 国鉄への乗り換えの利便性を少しでも高めようということでこのような形になったと思うのですが、大正3年にここまでやってしまう西鉄(当時は西鉄の前身会社の一つの九州電気軌道)ってスゴイですね。しかし、西鉄北九州線の折尾-黒崎間は平成12年に廃止。翌年には短絡線上に架けられていたプレートガーダーは撤去されているため、上記Googleの空撮には写っていません。

折尾高架橋

 それでは現地を見て行きましょう。まずは“ねじりまんぽ”がある方の3連煉瓦アーチです。上写真は北側から見た3連アーチ。一番左側のアーチだけが“ねじりまんぽ”になっており、今回その価値が認められ解体は免れています。

折尾高架橋

 俯瞰で見ると高架の上部は緑の草に覆われていますが、そこに線路があったことが想像できますね。左手奥は築堤になっていて、現在は駐輪場として活用されています。また写真右手に見えている線路が鹿児島本線と筑豊本線を結ぶ短絡線で、以前はここにプレートガーダー橋が架けられていました。3連アーチの右端が橋台の形状になっているのがわかりますね。

折尾高架橋

 それではいよいよ“ねじりまんぽ”を見てみましょう。上写真は南側から見たもの。アーチ部分の煉瓦が“ねじり”ながら積まれているのがわかるでしょうか。

折尾高架橋

 ねじりまんぽとは、通常の煉瓦のアーチとは煉瓦の積み方が違います。線路と道路が直角に交差するのであれば通常のアーチで問題ありません。しかし線路と道路が斜めに交差する場合、普通の煉瓦の積み方では構造的にアーチを保つことができません。そこで編み出されたのが煉瓦をらせん状に角度をつけて積み上げてアーチを構成する“ねじりまんぽ”という方法です。(全く分かり辛い説明でスミマセン(汗))

 私がねじりまんぽを見るのはコレで3つ目ぐらいですが、ずっと見上げていると目が回りそうになるのは気のせいかな。でも実物をみるとやっぱり不思議ですね。こんなの煉瓦をどうやって積んだのかと(笑)。

折尾高架橋

 高架の上部を隣接する駐輪場から撮影してみました。煉瓦で囲まれた四角の範囲にぽっかりと草原が広がる不思議な光景になっています。その草原の先に目を向けると…

折尾高架橋

 「用地内立入禁止」の看板と、その向こうに見えるグレーの鉄板の間には短絡線が通っています。そのグレーの鉄板の向こう側が西鉄北九州線の折尾駅跡です。駅の屋根の一部が残っていますね。

 さて、ここからは取り壊される方の煉瓦アーチを見てみましょう。今回解体が決まっているのは西鉄北九州線折尾駅跡の煉瓦高架橋と隣接する駅ビルです。

折尾高架橋

 コンクリートのビルに取り込まれるような形になっていますが、煉瓦の3連アーチが残されているのがわかります。上写真の、一番手前のアーチを反対側から見てみたものが下の写真。

折尾高架橋

 ビルの中に作られた通路のようになっており、煉瓦高架橋と後の時代に造られた駅ビルが一体化しているのがわかります。

折尾高架橋

 接合部分はこんな感じ。ぴったりとくっついているようですが、切り離して煉瓦アーチだけ保存することは可能ではないでしょうか。新聞報道では「ビル解体時の振動で壊れる危険がある」という理由で一緒に解体されるようです…。

折尾高架橋

 この駅ビル側の3連アーチ、実は駅ビルが建設される昭和60年までは6連でした。駅ビル建設の際に3連が解体されて今の形になったもので、上写真の様にアーチが続いていた痕跡も残っていました。

 しかし、この記事を公開した時点ではもう解体されているかも…と思うとなんとも残念です。

【関連サイト】
ALL-A blog」 > 「折尾高架橋01」「折尾高架橋02
ALL-A」 > 「折尾高架橋
asahi.com」> 土木遺産 「保存を」

【参考文献】
北九州の近代化遺産」北九州地域史研究会/編・弦書房
遺産探訪/鉄道・橋梁関連 | permalink | comments(7) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

おひさしぶりです。

おもしろい!
鉄道好き、そして廃線好きにはたまりません!
折尾駅の再開発、規模が大きくてなかなか進んでいるようには見えないのですが、少しずつナニかが変わってきているようですね。

ねじりまんぽ、残ってよかったです。
まるか | 2010/10/19 7:38 PM
ごぶさたしております
先日、小国の宮原線跡の、竹筋橋を見学に行ってきました。オイラ的にはなかなか良かったですが、家族には不評でした(笑)
あ、本文とは関係なくてすんまっせん
ごんた | 2010/10/20 8:49 PM
>まるかさん

ねじりまんぽは感動的でした。今度は西鉄北九州線の廃線跡を辿ってみたいですね。

>ごんたさん

お久しぶりです!小国!いいですね!私はまだ全部見学できていません(汗)。
ご家族と一緒に出かける際は、美味しい物が食べられるスポットも要チェックですね(笑)。
ゴン太@管理人 | 2010/10/22 2:50 AM
こんにちは。
私も先日ここを訪れましたが、情報ソースを自分で確認していなかったので、てっきり「ねじりまんぽ」が解体されると誤解していました。
地元の方も「ねじりまんぽは解体されないはずですよ。」とおっしゃる方がいましたので、なんか変だなとは思ってましたが・・。
ゴン太さんの記事を拝見して、情報ソースのセカンドオピニオンも大切だと反省させられました。
t_jetronic | 2010/10/28 11:58 AM
>t_jetronicさん

私は現地の人にも「ねじりまんぽ」が解体されると聞いていました(笑)。
確かに情報の確認は複数行なっていたほうがよいですね。
ゴン太@管理人 | 2010/11/02 3:54 AM
西鉄路面電車跡、おもしろそうですね。
戸畑と八幡西区あたりには跡地がそのまま残っているようです。
廃止のさい、最終電車が走ったすぐ後に、重機が入ってきて線路をはがしていた光景はショッキングでした。
まるか | 2010/11/02 8:06 PM
>まるかさん

廃止の時をご覧になっていたのですね。
いつか「ねじりまんぽ」から続く廃線跡を辿ってみたいです。
ゴン太@管理人 | 2010/11/04 1:45 AM
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